俺の夏:サマソニ1日目

無駄に早起きして用もないのに早々と会場へ赴き、とくに欲しいものもないのに物販の列へ並ぶ、という例年通りの悪癖が抜けないがゆえに、今年も会場へつくなりもくもくと長蛇の列に参加するわたくし。とはいえここ数年で、「ロックT買っても普段そんなに着てでかけない(※引きこもりだから)」という真理にたどり着きました故にいざグッズ売場にたどり着いてもなかなか購入にはいたらず。
ほんとうは自分用にHoleのちょうカッコいいTシャツがほしくてベタベタさわってみたのだけれど、俺にはそれを着こなせるポテンシャルが備わってないので泣く泣くあきらめてみたりして。人間だいじなのは身の程を知ることですもの。ええ、自分をうらみました。

延々並んでおいて結局買ったのは上司ちゃんへのお土産のヨンシーTシャツ*1だけ。そのまま物販を抜けて朝っぱらからオアシスでひとり酒類を飲み即座に泥酔、ヨロヨロ屋内へ消えていった俺でした。そとはうつくしく、それはそれはまぶしく晴れていました。はじまりはいつも晴れ。

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サカナクション
じつはこっそり大好きで、いつか生で観てみたいなあとおもってたサカナクション。実際ライヴを観て、このタイミングで初めて拝見できたのはラッキーだったなあとおもいました。正直あんなに大バコ映えすると思ってなかったんですもの。ドラムとベースの出音がやたらでかくてどエライリバーブがかかってて物凄くいびつな音。そのせいか「音があんまりよくなくてダメだった」って感想をちらほらみかけたんですが、俺は逆に随分ときゅんきゅんしながら拝見したんですよ。リズム隊の音だけでもものすごくケレンがきいてたというか(※誉めています)それが堂に入っていてよかった。後ろから、満杯のお客さんを、キックの音にあわせてみんなが頭の上で鳴らす手拍子を、とてもきれいだなあとおもいながら眺めてた。さいこうでした。
アルクアラウンドやセントレイ。シングルの曲はもちろん大盛りあがりだったけれど、俺のなかでのハイライトはネイティブダンサー。

僕はいたって最後方 思い出したのは辛い事
心が何年も何年もかけて染みついた汚れ 落ちてしまえ


眩しい光(レーザー!)とお客さんのジャンプのなか、バレないようにちょっとだけ泣きました。この何年かのいろんなことをおもいだして、踊りながら泣きました。おかげでなんだかいろいろと吹っ切ることができました。この感想を綴りながら、今この時期にこの曲をきいてはじまった今年のサマソニは、やっぱりとくべつだったんだなっておもったりしています。ほんと観ておいてよかった。

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睡眠ぶそく→泥酔、そのうえサカナクションではしゃいでいるウチに流血するほど豪快に靴擦れが発生したりと、昼間からボロボロになったので、いったん休憩をとることにしたわたくし。そのままソニックのスタンドで休んでもよかったのですが、いったんやすんだら2度と動けなくなりそうな気配がまんてんだったので、無理矢理お外へ飛び出してみました。そとは薄曇り。
いざオアシスでごはんをたべようとおもってもどこもかしこも長蛇の列、日陰なし、さらにパークステージとメインステージの音がダダ被りで強制マッシュアップ状態…と、昼間のおんも、そこにひろがっていたのはちょっとした惨状でした。
通りがかった頃にはもうシングルの曲をやり終えていて、ぼくのなかでジェイソンデルーロのステージがいちばん盛り上がってみえたのはティンバーレイクさんのSEXY BACKのカヴァーだけだったなあ、とか(ごめんね)、ピロウズは昼間外で聴くのはしんどいなあ、とか、オリアンティのひとはもうこのさい全編インストのほうがいいですよ!(弾き姿はほんと麗しかったできればそれだけ眺めてたかった)とか。1日目のお外に対してはそれくらいの印象しかもてませんでした。彼らお目当てのお客さんも大勢いらしたようですし、土産ばなしのタネにBIGBANGをみるのも今思えばアリだったかな、と思うのですが、ともかく2ステージ(酷いときはスカイもあわせて3ステージ)のマッシュアップ加減に耐えきれず。適当におひるごはん(お肉山盛)をいただいてから、俺は早々におんもを後にしたのでした。
ソニックに戻るとちゅう、もういちど物販へ寄り、こんどはスマパンのZERO☆Tシャツ*2を買おうかとうっすら悩んでみたのですが、この2010ねんにおいてこのTシャツはありやなしやと迷ってやっぱりやめました。だってよーく眺めてみたらロゴのしたにちいさく「2007 Smashing Pumpkins 」てはいってたんだもの。なんだよ、う、売れ残りじゃないか!

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●DRUMS
音をサラーっと聴いたかぎりだと、ライヴはへなへななのかしら?とおもってたのに、いざみてみたら音源よりきもちテンポ早めで演奏鉄壁。見事なライヴバンドでいらしたのでたいへん驚きました。ちょうかっこよかった。
特にお素敵だったのがベースのひとのタンバリンを駆使した前衛的なおどりとか、「止まるとしぬの?」的なステップ(フレッドアステアぽくてとても優雅!)を踏みながらのベース奏法!とてもたのしそうで、スタンドからニヤニヤしながら眺めました。
DRUMSというバンド名がそのまま体をあらわすと申しますか。キレキレのリズム隊とおなじくらいにギターのループがめちゃくちゃ早い。そのうえ全然ブレない走らないなんならギターの人もひっくるめてリズム隊!緩急つけずにひたすら急!みたいな演奏はとても耳に心地よく。きがつけばスタンド席の周りはみなさんすやすやおやすみになられてました。たぶんちょう気持ちよくていらしたとおもうの。だってほんとに演奏安定しすぎなんですもの。
しょうじきさいきんのブルックリンブルックリンとりあえずなんでもブルックリンのバンド聴いとこうぜ!みたいな風潮には食傷ぎみだったのですが、この方たちのライヴですこし印象がかわりました。こんなひとたちが街じゅうにひしめいているのだとしたら…なんて、ちょっと想像しただけでわくわくしちゃう!いまからいろいろ聴きなおさなくっちゃ、とかそんなことをおもいながらぼんやりとはいけんしました。

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●Band of Horses
前回08ねんのときにいちばんみたいとおもってたのに泣く泣く途中退場しちゃった*3のでことしは何があってもみたかったんですよ。なにがあっても、ていうわりには実はアルバム1まいももってなくて音源ちゃんときいたことないくせに「ライブはぜったいいいはず!」てへんな確信だけもってはいけんしたんですが、それがほんとうに大当たりでした。最大ギター4本(!!)まで増殖する音数の多さ、なのにひたすら端正にかさなる演奏、その音選びの的確さたるや!あれだけ音重ねてて至極シンプルにきこえるっていったいどんな魔法なのかと。しかもそれを演奏してるご本人たちがとてもサラーっと演ってのけてるのがすごすぎるわけで。またスクリーンに映し出される森や星空の写真がバシっと音にハマッててどんどん気が遠くなるんですよ。もう、うっとりと。
残念ながら場内はビックリするぐらいガラガラで(さいしょ客さん入れ替えるのに上で入場規制かけとんのか思ったくらい)たいへんさみしかったのですが、前方はみなさんノリノリ(BOHなのに!)メンバーのみなさんも終始和やか。好きな人だけが集まってます!たのしいです!ていう最高の条件だったとおもいます。すごく贅沢なステージでした。
サマソニの昼間の深い時間帯ってだいたいラインナップが地味で(※失礼)うっかりゴハン休憩にあてがちだけど、こうしてとんでもないマジックのかかったステージが拝見できたりするからほんと侮れない。

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中に残るかHoleにいくかでひたすら悩み、結局流れでBRMCをはいけんしました。
ぼくはむかしから彼らにたいして「カッコいいけどこれといった印象のないひと」という漠然としたイメージしかもてず、それってなんでかなあ?とおもってたんだけど、改めて聴いてみたらきがついた。カッコいいけどちょっと苦手な音なんだ。きっと生命の危機をかんじるほど体調がわるかったせいもあるから、また改めてみたら印象がかわるかもしれない。けど、たぶんそう。長年彼らに対して抱いてたもやもやが晴れてすっきりしたので、とちゅうからスタンド席にもどって、すこしだけうつらうつらしました。ごめんね、ほんとカッコよかったのに。

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●Jónsi
ヨンシーにいさんのお姿をはいけんするのはきっと2001ねんのシガーロス単独以来でしたでしょうか。シガーロスの近作や、先だってのソロアルバムが、それはもうエラいはっちゃけた内容だったので、暗黒妖精さんみたいだった初期シガーロスしかしらない俺は、どんなライブになるのか俺には想像がつかなかったのですが。実際はいけんしたのは衝撃てきな内容でした。とんでもないものをみたよ。すごかったよ。あれは人ではないね!もうびっくりした。あのね、件の妖精ヨンシーにいさんじゃないよ、驚いたのはヨンシーのお抱えドラマーのひと。
アルバム聴いてるとやたらハットのおとがやたら派手で、バスドラもきちがいみたいになってて、あらヨンシーにいさんもとうとうデジタル化の波が!なんて勝手にかんちがいしてたんですが、あれほぼ人力だったんですね!(驚愕)きみはマシーンか!てくらいの正確さで、物凄い手数を刻むガタイのいいドラマーさん(ライカ土方)一気に目が覚めました。にいさんをはじめあっさりビジュアルのかたが勢揃いなヨンシー楽団のなか、ひとり浮きまくっていたあの方。みなさんとお揃いのお衣装*4が違和感ありまくりでしたが、ヒラヒラをなびかせながら、彼が鬼のようにドラムを叩き、時にバスドラを連打しながら客席をガンガン煽るさまはほんとうにかっこよかった。おかげで途中から肝心のヨンシーにいさんのほうをほとんど見ずじまいだったんだけど、にいさんたのしそうでしたよ。とてもごきげんそうだったし、それくらいお客さんも盛り上がってた。ちょうたのしかったです。また実際拝見したあとだと音源のキラキラっぷりが5割増くらいになったきがするし、あれは機会があればぜひ生でみてみるべき内容だとおもいます。けっきょくドラマーのひとばっかみてていっぱい見落としちゃったきがするので、俺も12月の単独は必ずいこうとおもうのです。ええ、万難を排して。ほんと、もういっかいみたい。

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ヨンシーおわりでザザーっとお客さんがひいて、またガラガラになったソニックステージ。
オイオイこのあとトリですよ?ってはらはらしながらセッティングを眺めてたら、そのうちしろいぼんぼりがわんさと出てきてやたら舞台装置が派手になってくし、あいかわらずおきゃくさんはガラガラだし、おかげでなんだか申し訳ないきぶんでいっぱいになったり。結局えらいこじまりとしたお客さんの入りでスタートしたピクシーズ
会場の雰囲気はとてもほがらかでたのしかったのだけれど、体力的に限界だったので頭4曲ほどきいてはやめに帰りました。初見だったし、しんどいのに無理矢理聴いてキライになりたくなかったので。ここで帰るのは申し訳ないなあ、とおもいつつ、後ろ髪ひきちぎられそうなきぶんで出口へむかうぼく。だけどそのあいだ大勢のお客さんとすれちがったから、お客さんがみんないそいそと早足でステージへむかっていたから、おかげで安心して舞洲をあとにすることができました。きっと笑顔がいっぱいのいいステージだったんだろうな、て思いを馳せながら。
サマソニ2日目につづく)

*1:オサレさん以外着てはならない素敵デザイン。完全いやがらせ。

*2:以前にはなかったXSサイズがあったので。あれやっぱ1着はほしいじゃないですか、ねえ?

*3:開始2曲めあたりで退場朝イチメインステージで時計(ちょう大事)を落としてきたことに気づき、あわててとびだしました。おそろしいことに時計はそのままおんもにおちてた。

*4:アルバムのジャケでにいさんがお召しになってるエルヴィス(極彩色のヒラヒラ!)ぽいアレなイメージで。