俺の夏:サマソニ2日目

前日にひきつづき意味もなく物販にならんでいたわたくし、ふと思い立ってとあるバンドのTシャツを買うことにしました。それはね、みんなだいすきFACTのTシャツ。
8月末に辞めゆくバイトちゃんへ。彼女の大大大スッキーなバンドのグッズをお別れのプレゼントにしてはいかがかと思い立ったこころ優しい俺様。そう、俺すごくやさしい。実際のところは「俺だけ無理矢理休んで遊びにきててごめんなさい」て後ろめたさの裏返しなのですが、いやそんなこといわなくたっていいじゃん。ほんとはいい人なんですよ、ぼく(棒読み)

さて。若人にだいにんきのFACTさんの物販、お客さんが大勢ひしめく会場のなかでもとびきり元気そうな男子たちで大賑わいです。なもんで俺にとってはその場にいるだけで完全なアウェー戦。ごめんなさいごめんなさいおばちゃんもちょっとかいものさせてくださいな、と勇気をだしてグッズを覗いてみるのですが、Tシャツとステッカーとタオル…どれも絵柄がいまいちでさらにかなしくなってみたりして。でも、なんか買って帰ってあげたいんだよなあ…
んで、さんざん悩んで買ったのがこの柄。

ギニャー!コーワーイー!www
しかしこのTシャツ、いざさしあげてみたらバイトちゃん(女子)に大層喜ばれまして、FACT好きのみなさんにはアリな柄なのかもしれません。でも、ちょっとイカつすぎますよね?ロックTとしてのスタイリッシュさも、メタルTとしての牧歌的なかんじ*1も足りない中途半端さ。(※失礼)
そこでFACTのひとにぼくから提案です。せっかくだから、お面バンドである特色を活かしていただいて、全面能面だらけのTシャツをお作りになられてはいかがでしょうか。ほら、みたまんまスリップノットのパクリみたいなおどろおどろしいやつ。それならちょう売れると思うんだけどなあ。そこそこファンも被ってそうだし。…つくってくれたらぼく買うよ?(おうちで寝間着とかにしたいです)

朝から異文化に触れて無駄にドキドキしたあとは、前日同様朝から飲めないお酒をいただきまして、そのままお酒片手に吸い込まれるようにしてソニックステージへ。よせばいいのに朝から最前列にぺたりと座り、ひとり飲んでました。それはひどく酔っぱらってました。
そんな34歳の夏、2日目。

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HURTS
どんなかたたちなのか存じ上げぬままお邪魔したHURTSさんでしたが、たいへんたのしく拝見しました。
ドレッシーないでたちの殿方に、デカダンつうか、華やかさのない人を呪い殺しそうなニューロマつうか、やけにつやつやした麗しいサウンド。さすがクリマン、朝っぱらからとんでもないのをぶつけてきます。
特濃のステージが繰り広げられるなか、最初から最後までぼくが釘付けになったのは左側後方にいらした直立不動の燕尾服のひと。
【さんこう】

動画でも左側におられる殿方なのですが、この方、自分の出番以外は微動だにしません。足もとに用意してあるお水も飲みません。けして汗もふきません。ライブ中ただ直立。そして出番といえば↑動画のごとくときどきええ声でお歌いになるのみ(※1分56秒ごろなど)そう、彼はええ声のみ担当なのです!ええ声だからときどきファルセットだってだしちゃうぜ!フアー!(声まね)…しかし自分の出番いがいはまるで備品のような佇まい…なんだこのひと?
ほんとに何も知らずにはいけんしたせいでライブ中ぼくの脳内は?でいっぱいに。そしてエエ声のひとの一挙手一投足を見逃さまいと、視線は釘付け(そして結果ほぼ動かず)…なんせ得体が知れないので、またいったいどこのくにの飛び道具連れて来ちゃったのかしら?てわなわなしながら拝見していたのですが。…ボーカルのひとの「ぼくらマンチェスターからきましたー」てご挨拶をきいてわたくしはげしく合点がいきました。ああそうか!このひとは動かないベズなんだな!(※ひどいこじつけ)
そのあとは「ああそうかそうかそうかこりゃベズだベズ!」てひとりで納得いたしまして、それはもうニヤニヤしながら見てたんですが、あとでバイオしらべてみたらHURTSさんじたいは2人組で、ベズのひとはほんとうに「ええ声」担当のサポートメンバーでいらっしゃるようですね。…あれ?なんでしょうその効率の悪さって。いいの?ベズはそれでへいきなの?(※つうかベズじゃない)
HURTSさん、音はいたって大真面目、かつ麗しいぶん、ベズのひとの存在が悪目立ちして気になってしかたなかったんですよね。だってへんだもん。へんだったもん。
…とまあ、予備知識なく初見でもいろいろ興味深いバンドだったHURTSさん。とかくダレがちな朝イチのサマソニにあって、極めて異質といいますか。ひさしぶりにクリマンの力技をみせつけられたきがいたしました。ありがとう、またへんてこなのおねがいしますね。

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●Yes Giantess
なぜかよくわからないけど、うちのお店で異常なくらい売れてたYes Giantessさん。コメントかくのに「このひとたちはーパッションピットのレーベルメイトでー」てちょうユルいことをかいたんですけども、うっかりパッションピットたんよりも売れちゃう勢いだったYes Giantessさん。しかもうちの会社のなかでぼくの店だけ局地的に売れてたからそれがふしぎでふしぎでしかたなかったのですが、じっさいにライブを拝見して納得しました。モサモサした80'sぽいシンセがたまらないインディロック、しかしまっとうにポップ。(※うちのおきゃくさんの大好物!)
印象的だったのは、ボーカルの人キャラがまんまバンドの色になってたとこでしょうか。やたら手足のながいヒョロンとしたお兄さんがステージじょうでくねくねしながらうたうさま、その自意識の高そうなステージングがいかにも若人っぽく、キラキラしたメロディに甘酸っぱさを添えるのです。MCもやったら早口!もうね、キャラがすごく不器用そうなんだ、人づきあいとかぜったい苦手そう!学校のサークルとかで揉めてちょううだうだしてそう!神経質なわがままボーカルとそのお友達、て佇まいはなんとなくWEEZERぽくもありましたねえ。あー、あー、これみんなこいつに振り回されてんだろーなー、てバンド内の空気が透けて見えるようなかんじで、ぼくキライじゃなかったです。にやにやしながらはいけんしました。

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と、ここまではいけんして HURTSが暗黒ニューロマで、ジャイアンテスさんが80's風味学園ポップで…て。あ、そうか今朝のソニック人選、このあとのa-haに向けた80'sオマージュですか?てわたくしひとり合点してみたりしたですよ。ほほう、やっぱクリマンせんせいは粋なことすんなあ!て、ちょうかんしんしたんだけど「そりゃあんたの思いこみだよ!て」指摘はいっさいうけつけませんからね。いいですか?(以上ひとりごと)

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TWO DOOR CINEMA CLUB
情報によると前日の幕張ではちょうもりあがりましたとの噂でもちきりだったみなさん、たいへんたのしみにしてました。たのしみにしてましたが、恥ずかしながらわたくし事前に予習をしておらずこの段階でまったくもって初見でございました。ええ、ほんとうにごめんなさい。
なもんでどの曲がどうとかぜんぜんわかんなかったんだけど*2まわりのお客さんがわっきゃわっきゃしてたからぼくもいっしょにわっきゃわっきゃしてみたらちょうたのしくてさいしょからさいごまでわっきゃわっきゃしてました。わっきゃわっきゃ。
つうか音聴いてみたらどう考えても自分の大好物な音だったのに、なんでいまのいままで聴いてなかったのかじぶんでもふしぎなくらいだったんですけどもねえ。評判だってそこそこよかったし。たぶんキツネのひと=オサレていう色眼鏡と、国内ばんの発売が決算期に被ってて仕入れむりやりスルーさせられちゃったりとか*3いろいろあったせいですね。もう大しっぱい。俺のバカ。
そんなわけで、はじめて出会って即座に恋におちたTWO DOOR CINEMA CLUBさま。とくにキレッキレのリフがかっこよくって俺ライブ中はギターのかたを凝視してたんですけど、もうその子の出で立ちが素っ晴らしくって。ヨレヨレのBDシャツ(もちろん柄はチェック!)にボトムはわざわざ裾をロールアップさせて丈がちょう中途半端&そこからのぞく真っ赤なくつした!(こうふん)俺なりのオサレセンスが炸裂しまくってるうえにライブ中の立ち姿はきほん内股。足をギニギニギニギニ地面にこすりつけながらリフを弾きます。ずっとキャンキャンしたリフばっか弾いてるから左手と右手近っ!手元みっちみち!どの曲でも常にいじいじいじいじリフを刻むそのさまのなんとかっこいいこと。もうやだ大好き。わたくしことし2日間通じてのベストギタリスト賞は彼にさしあげたいとおもいます。そして単独でいらした折りには是非とももういちど拝見したい。そうおもいました。
ステージ後ろに吊してあったバンドロゴ。OとOの間からのぞくぬこのおめめがこれまたかわいかったんだよなあ…
【ジャケ参照】

ツーリスト・ヒストリー

ツーリスト・ヒストリー

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ここまで最前列におりまして、TWO DOOR CINEMA CLUBちゅうはもう揉みくちゃ。わざわざで前で見てるくせに、おどりたいのにおどれない!てものすごく苛々したので、ここでいったん後方に下がりました。ことしはDANCEステージにまったく足を運ばなかった分、このへんでなにがあってもぴょんぴょんしておきたかったのです。ええ、サマソニはぴょんぴょんしてなんぼですから。そう、このあしの1本や2本くれてやりますよ!(いや誰に)

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●DELPHIC
きょねんのサマソニは3日目だけは不参加だったので。BLOCPARTYのツアーの時はパーテーさんがドタキャンしちゃったので。春の単独のときはしまねでうだうだしてたので。*4だから。やっと、やっと会えたねデルフィックたん。でも初めて会えたのがこんな大バコってむしろラッキーだったのかも。ええ。お客さんも大入り!もうそれだけで開始前からテンションがあがります。
アルバムの順番通りClarion Callから開始そのままDoubtへ、アルバム曲順をなぞるような安心セット。生で聴くと予想してた以上にギターの入りがカッコよく、目と耳を奪われることしばしばで。ギターっこの手元が見たくって「やっぱ最前に残ってればよかったかー」と思いはしたものの、それよりもガンガン踊るのがたのしい。たのしい。
ただ踊りながら気づいたんだけど、デルフィックたんのライヴはいわゆるダンストラックとしての盛り上げに欠けるというか、ブレイクのつくりかたがしつこい。いや、しつこいというか、ブレイクらしき箇所はあれども、いつもあああ、ここもうすこしバーンといっときましょうよ!ておもうスレスレのとこで肩すかしをくらうみたいでなんとももどかしく。あれー?と思ってライヴあと改めて音源をきいてみると、This MomentaryやCounterpoint、Halcyonあたり、曲自体のハデさはあれどたしかにブレイクらしきものってそれほど組み込まれてないんですよね。あくまでアゲどころは転調とリフ、そして全体のトーンの暗さも併せ、なんとも自己陶酔が過ぎる点。どちらかというとダンスアクトと呼ぶよりはUKマナーに則ったギターロックバンドなんだなー、という印象をうけました。*5ただライブ自体はむちゃくちゃたのしかったです。
あと、ライブちゅう猛烈にきになったのがメンバー及びローディーのみなさんのお召し物!!
みんなおそろい!
前面にはバンドロゴ、画像だとわかんないけどたしか後ろ側にはでっかくメンバーの頭文字が入ってるユニフォーム仕様。ローディチームは黒Tでやっぱりおんなじ絵柄。
わー
わー
 ぼ く の ぶ ん も ほ し い !
ひょっとしたらどこかでレプリカうってるんじゃないかとおもって、サマソニあとネットじょうをずいぶんとさまよいましたが、当然のごとくうってませんでした。セミオーダーで通販してくれたら速攻買うんだけどなあw
まあそれはさておき。バンドの音からかんがえるとじつにファンシーないでたちで、音、キャラともにはいけんしたあとますます好きになった次第でした。

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●PASSIONPIT
じつはパッションピットたんも2月の単独にいきそこねた(チケットとってたのに!)でたいそうたのしみにしておりましてでもフルでみちゃったらペイブメント間に合わないしどうしようどうしようしかたないじゃあリーリング聴けたら速攻とびだそうぜそうしよう!て思ってたら、バンドいちばんの大ネタをあっさり序盤*6に持ってくる暴挙!ウギャー(そして涙目で退場)
会場はDELPHICあともお客さんが引かずでなかなかの大入り。くわえてさきほどのジャイアンテスさんたちも客席におでましで、ああこの子たちほんとにおともだちなんだわーってほのぼのしてみたり。*7
そしてなにより素敵だったのが待ち時間どこからともなくフロアに現れたライトセーバー2本!もちろん赤と緑!!(こうふん)
…ライブにライトセーバー持ち込み、は俺永遠の憧れなんですよね。あれ、かさばる上にぜったいおともだちといっしょじゃないとできないから、実際やるとなるとなかなかに勇気がいるとおもうんですけど…たぶんサマソニで見かけたのは初年度以来なんじゃないかしら?うらやましい!うらやましい!なによりパッションピットでそれをやろうなんてナード発想がスバラしすぎる!!そのうえライヴがすすむごとに2本ともどんどんどんどん前方へ移動してくから、後ろから大笑いしながら眺めてました。ちきしょうきみらちょうかわいいな!俺もまざりたいwwww
客席から、リーリングの歌詞*8にあわせて赤と緑のひかりがひょこひょこ動くさまは、ほんとうにそのまんますぎて、あいらしく、みていておもわず涙が出ました。たぶんあれがこの日のソニックいちばんのハイライト。ほんとうは途中退場したくなかったけど、その光景がみられたおかげでそんなにさみしくなかったです。ありがとうね、ライトセーバーのひと。きみらさいこう。
さっきまでのDELPHICとは一転して、USインディ然とした素朴な佇まい。だけど作りはものすごくフロアを意識した音で、この2バンドすごく対照的でした。どちらもすきだけど、たぶん会場全体が盛り上がったのは断然パッションピットのほうだったんじゃないかな、と思います。俺がでてったあとも相当たのしかったんじゃないかなあ、って容易に想像がつきますよ。こういうかわいらしい成り立ちのバンドが大バコで、しかも大勢ではいけんできるのこそフェスの魅力ですよねえ。とてもすてきでした。

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ここからこの日初めてのおんもへ。でもってことし初めての丘の上。
スカイステージ、ことしはずいぶんとこぢんまりとしてしまってさみしくなってた。あの 広くて 日陰が ない !みたいな絶望感がここの持ち味だったのになあ…って、もうついた途端にしょんぼり。そしてまたちみちみとお酒をのみました。飲めないビールをのみました。(※即座に泥酔)

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PAVEMENT
あらかじめカミングアウトしておきましょう。
ぼく、ペイヴメントちゃんときいたこと ないです。
うわあああはずかしい!(はあはあ)
ぼくマルクマスせんせいのソロは大好きでよく聴いてたんですけど、本体を聴いたことがない、ていう豪快なまちがいっぷりでして、そのうえサマソニ前にろくすっぽ予習もせずに完全物見遊山…ごめんなさい!ほんとうにごめんなさい!
そんな申し訳ないきぶんになったのも、こじんまりとした丘の上に、けして満杯とはいえないお客さん、けれどもガチファンのみなさんが押し寄せておられるとおぼしき、前方の異様な盛り上がりをはいけんしたせいでございまして。日は翳りはじめたとはいえ、夕方のまだけして涼しいとはいえない時間帯にやや年齢層高めの大人世代が大集合…ほんともりあがってたなあ。せめてベストだけでも聴いてからくればよかった。
気合いの足りないぼくはPAの櫓の陰の下にこっそりと潜みながら、じいっと眺めておりました。そよそよとふく海風とボトムのふっとい安定感ばりばりの演奏。あんまりきもちよくて、すこしだけうとうとしながら、ものすごくしあわせなきぶんでおりました。
ライヴちゅうみなさま割と辛口なMCを連発してらしたらしいのですが*9ライブ終了後、お客さんから投げ込まれたTシャツにみんなでサイン書いて返してあげてらして、ちょういいひとたちじゃないか!っておもった。すごく年代モノだったっぽいけど…あれちゃんと持ち主の手元にかえったのかなあ。きちんと戻ってることを祈る。

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ペイヴメント終了後、怒濤の勢いでお客さんがいなくなった。ぼくらはとことこあるいて前方へ。そして最前列にぺたりと座る。あれ?いともかんたんに柵の前。
しかもつぎはリチャードせんせい、そう一昨年ライヴちゅうなぜか急にギターを壊したあのひとだ。あのちょう怒ってたひとだ。さいきんもどこぞのフェスでブチ切れたらしいともっぱらの噂のあの人ですよ。…そっと後ろをながめると、以前よりこじんまりとしたはずの丘の上がずいぶんと広く感じなあ…どうしよう?コレ見たらあのひとまたなにか壊すかな?
…日が落ちかけて、だんだんすずしくなってきたけれど、もう1杯ビールをのんでみた。おもしろいくらい酔っぱらった。おかげでずいぶんとたのしいきぶんになった。*10

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RICHARD ASHCROFT&The United Nations Of Sound
リチャードせんせい、なぜかブーツを掲げて登場。そしてハイ、俺ブーツ置きましたよー!的パフォーマンスで客席にアピールののちライヴ開始。会場の入りはお世辞にも多いとはいえないのに、せんせいのっけからノリノリでした。ご機嫌うるわしいようで逆にどきどきするw
Are You Readyからはじまって、終始パーフェクトなパフォーマンスをくりだすリチャードせんせい。そう、せんせいはものすごくかっこよくてらしたのに、酔っぱらってた俺ときたら、せんせいがよれっよれのシャツをお召しで、見た目まるでどこぞの輩っぽいビジュアルだったことや、新作(なんとHIPHOPアプローチ!)中心のセットのせいか、せんせいがときどき「YO!」とでも口走りそうなラッパーぽい身振りを織り交ぜておられるのがどうにもおもしろくて、ひとりでけたけたわらっておりました。ええ、ひどい酔っぱらいですよ。でも、せんせいったら何をさせても笑いが止まらないくらいかっこいい。新作、じつはそれほど聴きこんでなかったけどじっさいの演奏をみているだけでガンガンもってかれるのですよ。ああ、その力量ったら!このひと、なんつうカリスマティックなひとだろか?…しょうじき一昨年VERVEで観たときより男前度が上がってるような気すらするくらい。
前回と違いギターを弾かないぶん、縦横無尽にステージを動き回るせんせい。ちょうたかそうなお時計をはずして我々にイエーってみせてみたり…え?まさかこっちに投げるの?(なげません)さらにはいきなりシャドーボクシング始めてみたり。そのまましゃっしゃしながらギターの人に絡んでギターの人をこまらせてみたり(ギターの人「え!なんすかリチャードさんw」みたいなちょう困り顔)でもってそのまま「ハイ踏むよー!」てかんじで演奏中のギターのひとのかわりにエフェクター踏んじゃったり…もうせんせいやりたい放題すぎやしないか。
…そして極めつけは観客全員エアハグパフォーマンス!
客席をゆびさして(みんなは)
自分の心臓をとんとん(ここにいるよー)
そして自分をギュー(スキー!)
なんかいもギュー(スキー!)
ウギャー!俺もすきー! …てたぶんあの場にいたお客さん全員くらくらしたはずですよ。…つかせんせいアナタなにやってるんですかwwww

じつはスカイステージも他の野外ステージと同様音被りのヒドいちょう悪条件下。夕暮れのまったりムードの中、ヒダカトオル氏の熱唱が鳴り響き、一瞬ステージ上、いや丘の上全体に「すわマッドリチャード降臨か?!」という冷たい緊張がはしった瞬間もあったにはあったのですが、せんせいよゆうで笑ってスルー*11…そしてそのままはじまったのがこの曲。もうぐうの音もでないほどかっこいい!
…夕暮れのうつくしいけしきと、かっこいいお歌。そこにいままでのサマソニや、きのうきょう体験したばかりのたのしい思い出がかさなったり、じぶんのこれからを思い巡らせたり。いろんなことが頭のなかでぐるぐるまわって。たまらなくなって、すこしだけ泣きました。周りの人にバレないようにこっそり泣きました。このさきもこのじかんのことわすれないようにしよう、って思いながら、ふりかえって西の空をながめていたら、お日様が雲の海のなかへ消えてった。あんまりきれいでそれだけでも泣けた。

酔っぱらって、笑ったり泣いたりしているうちにあっという間に時間は過ぎ。さいごはBitter Sweet Symphonyでごっそり全部持っていったリチャードせんせい。その男前ぶりたるや文句のつけドコロがなく、俺のなかで彼こそがことしのベストアクト。そして舞洲サマソニ史上いちばん夕暮れのにあうひと。すばらしかった。

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リチャードせんせい終わりのテンションで、みんなやけに元気なスマパン待ちの最前列。もちろんスマパンが真ん前でみたくてたまらないお友だちのあつまりです。さてビリーたんはどの曲をやるんだろうね?やっぱTonight、Tonight聴ければ本望ね。ZEROはやらないかなあ?1979もききたいね!だって10ねんぶりのスマパンですもの!だってはじめてのスマパンだもん!口々に夢やきぼうを語りながら一抹の不安が隠せません。たしかにマイナス要素は数えきれず。でも、文句をいうのは実物をみてから、そう思いながらぼくは待っていました。あの子がやってくるのを待っていました。以下その顛末。

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SMASHING PUMPKINS
トリらしい豪華なセットも組み終わり、満を持しておでましのビリーたん。笑顔で登場。
…ああ、わらってるな。つかビリーたんあなたのそのお洋服、そのロゴさあ。

NATU()E… ええと、も、もしかして ネ、ネイチュ ア?(愕然)
またあんた随分気い抜いたナリだな… い、いやきっとフェスだからだ!そう、夏フェスだもんな…リラックスしてんだな。きっとそうにちがいない。
なんだかえらく余裕しゃくしゃくにみえるビリーたん。前を見据えそのあとそっと微笑んで、鳴らしたリフはTODAYのイントロ。

もう完全に不意打ちみたいなオープニングですよ。そしてずっとスマパンとの再会を望んでいたのなら、これ以上なくドラマチックなはじまり…もちろん場内は歓声でいっぱい!なのにこころからワーってなれないきがするのは、そのダサいロゴのロンTのせいですか?…へんな違和感がもやもやともたげ、ぼくは次の曲を待つ。
Astral Planes、そして3曲目Ava Adore…そう、ぼくアドアから入ったまちがったスマパン好きだから、だいすきなんですよAva Adore。でもやっぱノリきれなくていろいろと考える。演奏だって、オリジナルメンバーでないからとケチをつければそれまでだけど、けっして悪くない。なのにどうしてこうまで淡々とみてしまうのか?…答えは明白ですよ。そう、ついさっき、目の当たりにしたBitter Sweet Symphony。オリジナルメンバーによるものでもなんでもないあの演奏がどうしてあんなにかっこよくきこえたのか。その理由をかんがえればいい。
せっかくの最前列。だけどぼくは4曲だけみて移動することに決めた。たしかにTonight、Tonightは聴きたかったけど、ぼくにとっての「その夜」はきょうじゃない。もう過ぎてしまった昔のことか、これから来るいつかのこと。
おともだちにお別れを告げて、後ろに下がる。その途端にBullet with Butterfly Wingsのイントロが鳴り、一瞬だけ「しまった!」と思ったのだけど、後方のお客さんの棒立ちぶりをみて2重にショックをうけるぼく。ええ?みなさんこれちょう名曲ですよ?ああもうだめ!こうなってくると、もう全てがアワェー戦にみえてくるよ。これは一刻も早く丘の上から降りよう!…ぼくはお客さんの海を縫うようにして猛ダッシュで移動開始、ビリーたんといっしょにサビを合唱しながら出口へとすり抜け、いちもくさんで坂道をおりた。そのあいだくやしい気分でいっぱいだったけれど、でも後悔はしていない。
ビリーたん、またつぎの夜に会おう。それがいつになるかはわからないけれど、ぼくは待っているからね。

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坂道を下りてJAY-Z横目にメインステージを通り抜け、そのままEELSへ。2000年のドタキャンで観損ねて以来、念願だった生Eさま。
お客さんは少な目だけど前方にガッツリ固まって大盛りあがり。きのうの昼間と同様、メインとパークステージ、強制マッシュアップ状態は相変わらずでしたが、後方でもさもさケバブたべたりくるくるおどったり。ゆったりとたのしく拝見しました。そうそう、EELSみながらエンパイアステイトオブマインドもいっしょくたに聴けちゃいましたから、ぼくこの日の野外ステージはトリ総制覇だったんだぜー!(目が笑ってない)
EELSは特に後半の盛り上げっぷりが予想外にゴリゴリで、聴けないと思ってたSouljacker part.1までやってくださる大盤振舞い。俺うれしくってひとりでぴょんぴょんしてました。バンドじたいも、きけばわたしでもうっすら名前を存じあげてるような凄腕プレイヤーの皆さんを従えてのちょう豪華来日だったようで、そりゃライヴちょうたのしいわなー、と。あんな扱いでEさまほんとよくやってくださったよなあ…メンバー紹介のときには「ハイ、スペシャルMCジェイZでーす」みたいな毒舌もとびだして場内苦笑いでしたけどもね…あわわわわわ(涙目)
たしかな曲とたしかな演奏。あんしんのステージはさすがEさま!お祭りの締めくくりにはいけんするにはピッタリのたのしいステージでした。

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サマソニに通い始めて11ねんめ。舞洲に移動してからは4回目。年々自分なりのペースができて、ついにことしはしんどさやストレスを一切感じず、ぶじ2日間を終えることが出来ました。筋肉痛もなんもかもまったくなし!過酷な条件の舞洲会場にあってこれは快挙だとおもいます。ああ、慣れってこわいわあ。
またこの2日目はなぜかいちにちぼくの話し相手をしてくださったたいへんに酔狂なお友達にであいまして、ずいぶんと親切にしていただきました。いちにちとてもたのしかったです。よくしてもらったのに、スマパン最前列に置き去りにしてごめんなさい。この場をかりてもういちどあやまらせてくださいね。そしてどうもありがとう。

ではみなさん来年も舞洲であいましょう。

*1:無駄にカラフルな色づかいとか!

*2:そもそもこの感想ここまで具体的なことにいっさいふれてませんよ。ええ、ひどいにっきです。

*3:決算期はびんぼうなので新譜の発注をさせてもらえないのです。わりと深刻な台所じじょう。

*4:なもんで当日はこんなこといってる。ほんと頭悪い。

*5:前評判がよかったわりにイマイチバカ売れしなかったのもそのへんどっちつかずだったせいかなあ、とおもったりしました。過剰にドラマチックな曲展開とか、ロックっこはだいこうぶつだとおもうんだけどじつはあんまりロックっこには聴いてもらえてないんじゃないだろうか。

*6:4曲目?だったとおもうんだけど、よそにあがってたリストみてたら2曲めになってた。そこらへんはもう定かでなく。

*7:ちょうどメンバー全員ぼくの目の前を通り過ぎたので、至近距離でしんけいしつそうなボーカルの子を、それはもうまじまじと見つめたのだけれど、なんだかステージを降りてもキッとしたオーラ全開だったので声がかけられませんでした。なんかもうみててうれしくなるくらいいいキャラの持ち主でいらした。

*8:Look at me Oh, Look at me でHere I amですよ!ギャー!wwww

*9:そういやちょうてきとうにテイラー・スウィフトさまうたってらしたなあ。You Belong With Me

*10:この待ち時間のあいだ、最前にいらした周りのみなさん(初対面)と過去のサマソニの思い出ばなしをしているうちに、気づいたらひとり「プロディジーがいかにすばらしいか」をえんえんと語ってきかせていたようなきがするのですが、それはぼくがこの日記のオーナーだからです。ええ、ひどいにっきなうえに持ち主はちょう迷惑です。

*11:「ラブ&ピース!」ていってた。ほんとうはイラっとしてたんだろうなーw