オオサカにいってきました。
君と僕のMATSURI SESSIONをみてきました。ひさしぶりにザゼンボさまのライブをはいけんして参りました。
ザゼンボさまのライブをはいけんするのは、まだひなたさんの在籍時だった去年年末の神戸以来なのでずいぶんとひさしぶりだったのです。あいだもあいているし、メンバーもかわってさてどうなりましたかね、と。いつもとはすこし違う心境で臨んだのですが、ひさしぶりにみた向井先生はすこし残念なことになっておられました。
ベースがひなっさんから吉田という青年にかわったから、とか単純なことではないの。バンドの屋台骨じたいがかわってしまったんじゃないかしらと、俺は思ったのです。なんだか先生が松下に頼りすぎていやしないかと。そんな気がしました。
もちろんバンドの要となるのはドラムですし、アツシさんのドラムは恐ろしいくらい安定している(たとえどんな変拍子だろうとそうだからほんとうにおそろしい。)のでそうなるのもわからいでもないのです。一部の新曲がリズム中心かつ完全ギターレスなのもまあいいでしょう。いまはそういうきぶんなんだろうと解釈しておきます。が、新曲だけでなく既曲もすこんすこんギターの音を抜いてしまってえっらいスカスカのアレンジにしてしまわれたのはいったいどういうことなのか。たとえばFRIDAY NIGHT。吉兼ギター部分(あのフリーフォームでちょうカッコいいとこですね)バッサリ切り落とされてました。俺、吉兼さんをこの上なく愛してますが、別にあのへんてこな踊りがみたくてライブみにいっとるわけじゃないんですよ。いらんよあんなへんな踊りおどっとるひと。半透明に至っては先生ギター持ってないし!先生がギターをもたない、すなわちあのイントロのリフがないわけです。すごくたいくつなアレンジに、さいごにとってつけたみたいに阿波踊りパートを突っ込んでものすごくバランスが悪いの。みてて苛々した。ほか、各曲各所ギターの音がカットされた部分、代わりに鳴るのはひたすらリズム隊のループ。イヤ!そんなのなんかちがうきがする。…とはいえそれなりにかっこいいんですよ、それでも。だってアツシさん上手いから。悪かないとおもうんです。でもそれじゃ俺にとってはナニを見に行ってるんだかわかんなくなっちゃうんだ。ねえ、なにやってんのせんせい。先生はギターもってなくちゃだめだよ。それに、それじゃもうツエペリンじゃなくなっちゃう。
新曲も、どの曲もそれなりにかっこいいし、かっこよかったんですけど、かっこいいですが、俺はダメでした。なんだかこなれすぎてて。こなれてるものをやるなら、世の中にはもっとじょうずでおもしろいかたたちがいるのです。ざんねんながらそれは先生のしごとではないとおもうのです。もっといびつできもちわるくてはあはあするものをギターでつくる。それこそが先生の役目だと、おれはおもうよ。そのための吉兼であって、けして脇でへんな踊りをおどらせたり、ちんまりなにかの装置を操作させたりするためにいるひとではないのです。ほんとなにやってんだよ先生。
様変わりしてしまったザゼンボさんをみて、俺はしんけんに頭を抱えました。こんなの、はじめてだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ザゼンボ→銀杏のじゅんばんで演奏されたのですが、先発のザゼンボさんであまりにも落ち込みすぎて、セットチェンジのあいだにヤケになって泥酔してしまったので銀杏さんのかんそうは、銀杏さんをみながらよっぱらってかんがえたことをかいておきます。

銀杏さんをみながら俺がぼやんとかんがえたのは、こう畑につれていかれて目の前で抜かれた野菜を食わされてるみたいだなあということでした。だいこんとかにんじんとか。ざこっと。その場で。
さあお食べ、ってさしだされて、食べてみるとそれはとてもおいしい。かみごたえもするしなにより新鮮。でも。たしかに美味しくてすごいなあとおもうのだけれど、まるまる1本は無理だなあ、って途中から思う。おいしいお野菜はすごいけど、俺はいっぽんまるまる食えるほどアゴもじょうぶにできてない。そういうんじゃなくて「え?これとこれまぜてこんな味にしちゃったの!」ていうののほうがたべててたのしいし、まんぞくするなあ、ておもうの。そしてちょっと後ずさりしながら、そんな俺の気分もしらず、笑顔でどんどん野菜を差し出す畑のおじちゃんに申し訳なくて、泣きながらその場から猛ダッシュで逃走。…そんなきぶんになりました。なんのこっちゃ。ええ、まあ要は苦手なんですよ。たのしかったですけどね。
2階席からぐっちゃぐちゃになってるフロアをぼんやり眺めて、銀杏すきな子は素直でいいなあとおもった。そして、ああ若い子は呑気でいいですね、とため息をついたのです。ええ、酔っぱらっていたからですよ。ごめんなさい。
そして。そのひイベント通していちばんかっこよかったのが、アンコール8人全員でKIMOCHIをやったときの向井先生だったのが俺の暗い気分にさらに追い打ちをかけたのです。お客さんに背を向けて、テレキャス1本で他の弦5本、ドラム2本を率いる先生はほんとうにかっこよかった。やっぱ先生はそこにいなきゃだめだよ。ギターもって、バンドの真ん中にいるのがいちばんにあう。そうおもった。
ザゼンボさんをはいけんする機会はいつになるのかわからないけど、いま正直つぎをみるのがすごくこわいんですよ。もっとおもしろくない端正なバンドになってたらどうしよう。そしたら俺、このさきやってけなくなっちゃうよ。
先生、ギターからにげないで。にげちゃだめだ。おねがい。