ヨラテンゴをみにいきました。

オオサカへ、ヨラテンゴをみにいきました。
前回（２００５ねん）の来日時、ライブの日にちをまちがえていて行きそびれる、という大失態をしでかした俺にとっては、ほんとうにほんとうに待ち遠しかったヨラテンゴさまのライブです。
去年でたアルバムのツアーというめいもくだったわりには、グレイテストヒッツ！的、というかじつに節操のないセットで非常に濃い内容であったとおもいます。
前回拝見したときもその奏法に大変驚かされたのですが、アイラ・カプランさんのギターの弾き方は今回も実に多様で目を見張るものがあり、たいへんスバらしかったです。
ヨラ自体がひとつの型にはまらないバンドではあるのですが、その変幻自在なギター奏法を拝見しつつ、総じておもったのは、アイラさんというひとは音選びのセンスがほんとうにいいんだなあということでした。静かな曲でのミニマムな音であれ、轟音の曲であれ。たとえ無茶苦茶に弾いておられるようでも、どの曲でも音がカチっとはまるのです。そしてギターをどうすればどんな音がでるか熟知しておられるのだろうなあとおもいました。ネックやボディを叩いた振動だけで音を鳴らすあの奏法*1とか弦をぐーでこすったり。どこをどうすればどんな音がでるのか、あのへんてこな奏法の数々は、普段からギターをいじくり倒しておられるからこそできる芸当なのだろうと、ギターを一切弾けない俺はおもったよ。（ちがうんだろうか）
でもっていちばんすごいなあとおもったのは、その上サンプラーの使い方がもっそい巧いこと。ライブ本編の後半、一音一音サンプラーに落としながらリフと残響音のループを重ねていく過程からはじまったThe Story of Yo La Tangoや、I Heard You Looking で曲の真っ最中にギターチェンジしてギター２本分の音を重ねたり（ちょう轟音）とか、よくもまあそれだけ音を組み立てられるなあ！とおもいました。
アンコールでおきゃくさん（メガネダンサーズ３名）に踊ってもらったり、アンコール３回めさいごのさいごでアイラが歌ってるとちゅうにむせてたいへんなことになったりと、ほのぼのした場面もあったりしたのだけれど、やっぱりいちばん印象がつよかったのはアイラ・カプランさんのギター狂っぷりだったとおもうなあ、こじんてきに。いや、ほんとにすごかった。ヨラテンゴさまのライブはほんとうにびっくりするくらいすばらしいので、ぜひみんないちど生でみてみるべきですよ、と俺はおもうよ。
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俺はヨラテンゴのお歌のなかではTears Are in Your Eyes という曲がいちばんすきなのです。
初めてみにいったときはやってくれなくてあらまあ残念、とおもっていて。つぎはやってくれるかなあ？と待ちに待っていたのに行きそびれたこの前の来日（にくい）の時には演っておられたよ、という話を風の噂でききましてそれはそれは悔しくおもっていたのです。だから、今回の来日でやってくれなきゃヤダー！とずっと思っていたの。どうしてもききたかったの。でも今回は新しいアルバムのツアーだからやってくれないのだろうなあと、思ってはいたんだ。
本編がおわり。客上げあり、You Can Have It Allあり（でもダンスはやらなかったですね）で大サービスのアンコール１回めがおわり。その時点でやってくれてなかったからもう今回も無理かなあ？とあきらめていたのです。が。
アンコール２回め。会場の拍手にむかえられ笑顔で再々登場したアイラ・カプランさんと俺（じつは最前にいた）の目がふっとあいました。頭のユルい俺は「わあこっちみたー！」とおもいアイラに笑いかけました。笑いかけたんだと思うの、たぶん。そしたらアイラが俺のほうを指さしながら
「なんか聴きたい曲はある？」
みたいなことを英語でおっしゃった、きが、しました。よ。
え、なにこれ。（思考停止）

とっさのことに面食らいながら、俺が「Tears Are in Your Eyes！」とこたえると、アイラは「Nice choice!」と返してくださり、もうそこからはなにがなんだかもう覚えていません。
アイラがヤングガールがえらんでくれたサッドな曲をやるよー、といった向きのことを英語でおっしゃっていたきがしますが、俺は残念ながらヤングでもガールでもなく３１さいの立派な大人なので、非常に気恥ずかしい思いをし。
…ライブで聴くTears Are in Your Eyesは原曲よりもややテンポが早くて、人を呪い殺しそうなあの暗いかんじはやや控えめでしたがやっぱりとても綺麗な曲でした。ほんとうにちょっと泣いた。
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終演後、変な勢いがついたのでセットリストまで入手した俺３１さい（くださったスタッフさんありがとう）
さらにその勢いで、ヨラサイン会（終演後ひっそりと開催）にて３人のサインをいただいてかえってきましたよ。

アンコール以降の曲目はアイラが「えーと…」ておもいだしながらその場で補完してくださいました。（しぬかとおもった）
サインをかいてもらいながら。Tears Are in Your Eyesがどうしてもききたかったので、リクエストきいてもらえてちょううれしかったことを伝えたかったのですがうまいこと伝わらず、アイラには困った顔をされ、ジョージアには微笑みかけられ、ジェームスには「Nice choice!」と声をかけてもらい…生きていればこんなにしあわせなことがあるのだな、と頂いたサインをにぎりしめ小躍りしながら会場を後にしました。いい冥土のみやげができました。ほんとうに観にいけてよかったです。

*1:ごらんになったかたじゃないとわかりにくいかとおもいますが。じつにいいニュアンスでいい音が鳴るのです。あの奏法は初めてみたときほんとうに驚きました。