つらかったこと。

みなさん、スカイ・スウィートナムなるお嬢さんのPVはご存じでしょうか?
おうちで音楽専門チャンネル(MTVとか)の見れる方は絶対一度は見たことがあるはず。髪の長いカワイイ女の子がいーっぱいのケーブル(マイクやらギターのコードなんか)の敷き詰められたスタジオでくっるくるしながら歌ってるクリップ。かわええの。でもあの曲、8月ぐらいからガンガンかかってた割にはCD売ってるのみたことなかったでしょう?さいきんまで。
オイラ初めてみたときに「オイオイオイオイ!誰だコレ!」って思ったですよ。こんな子の情報店には来てないよ?…でも、クレジットにはしっかり「TOSHIBA EMI」って入ってる…え?え?国内で出るの??
…しかし案内はこない。
待てども待てども国内盤の案内は来ない。この前やっと来たと思ったら11月発売だってよ。
もう俺なんかがいちいち言わなくても売れますよ感がバシバシでてるじゃないですか、このお嬢さん。輸入盤担当Sさんと「怪獣だ」とか「メダカのお池にブラックバス放つようなもんだ」とブツブツいうてたんですけども、全世界に蔓延しつつある「ロックな女の子☆」の最強盤ですよ、たぶんこの子は。オーラが違いすぎ。先週やっとこさ輸入盤も発売になったところですが待ってましたとばかりに売れておりますよ。また輸入盤の段階で業者からの押しがやけに強気でPVは送られてくるわサンプルは来るわ*1で「?」って思ってたんですが謎が解けました。送られてきた販促物の中に「IMPORT NOW」ってペカーっと書かれたPOPが入ってたんですが、その隅にちーさく入ってますよ!「TOSHIBA EMI」って!!それ見た瞬間、Sさんと同時に「うわ怖い!」って叫びましたもん。二人とも腕にびっしり鳥肌。こわいこわいこわい!国内盤売る会社が輸入盤のプロモーション打ってる!!!お前らは何の会社ですか!
たぶんミシェル・ブランチ〜アブリルの辺りから、アイドルは輸入盤でブレイク!ついに日本上陸!みたいな売り方がいつの間にやら常道になってしまい。耳の早い子はみんな聴いてるよ!今聴かなきゃ乗り遅れちゃう☆みたいな煽り方をしてなんぼみたいな嫌らしい売り方が定着してしまいましたね、完全に。煽って煽って国内盤では効果倍!みたいな。なんだよお前ら、チョロQか?
もう俺、この売り方大ッキライなんですよ。要はアレでしょう?レコ社的には結果国内盤が売れてOKなんでしょうけど、輸入盤置いてない店は潰れちまえってことでしょ?外資以外は消えてなくなれってことじゃん。
都市部にお住まいの方々にはなかなかわからん感覚だとおもいますけども、地方の街のCD屋さんなんてフツウは怖くって輸入盤なんか入れられませんよ。洋楽売れないし、返品もできんし。ていうか入れるルートを持ってない。小売りの仕組みは以前と変わらないまま、今情報だけはネットやなんやらで事細かに日本の津々浦々どこにいても同じように手にはいるようになりましたが、正直小売りの方ではそれに対応出来るだけのルートを持っていないのが現状だったりします。お客さんがいくらネットで調べてきても近所の店からは取り寄せられない。やっぱ外資じゃなきゃダメね、アマゾンじゃなきゃダメねってお客さんの心はどんどんお店から離れていく。そしたらどんどん売上が落ちて、最後にはお店がたちいかなくなる…そういう螺旋のなかにどんどん落とし込まれて居るんですよこの業界。そしたら地方の子は近所のCD屋で欲しいCDが買えなくなるのだ。今回みたいなコトが続けば状況はきっとどんどん悪化するよ。
米レコは、自分たちの立場が完全にマイノリティであることを自覚した上でお店づくりをしています。外資がない街で、外資の代替となるべく。出来る限りの無茶をして成り立っています。
自分たちが儲かれば結果オーライ、みたいなレコード会社の態度には正直本気で腹を立てています。トカゲのしっぽ切りじゃないですか。自分らが生き残るためならきっと小売り→配信にシフトすることも辞さないだろうし。それが資本主義というものだよ?と言われても納得できない腹立たしさを感じていますよ。あんまり悔しすぎて店内で泣いちゃったよ。バカみたい。
ZAZEN、ZAZEN、って浮かれてたところに氷水頭からかぶせられたみたいな気分になりましたよ。とりあえずオイラの5年来の夢は叶いました。でも、オイラにはまだやることがあるよ、CD屋さんとして。負けないからな。

*1:通常もらえない。PVなんかとくに。