●日づけが変わっちゃったなあ。きょうはよしかねさんのおたんじょうびだなあ。なんてことをのよんと考えながらたのしく残業ちゅう。
●ふだん、かいしゃ内の業務でんわは取り次ぐ時間がもったいないから、て理由で俺の携帯に直接かかってくるようになっていて。だから仕事ちゅうでもばんばん電話に出たりする俺なのだけれども、今日は携帯をおうちにわすれてきたの。だからみんながお店の電話にご用事をかけてきてくれていたのね。でね。バイトっこにおとうさん(元隣人)からですよ、って電話をつないでもらったの。そしたらとうさん(元隣人)がいうのさ。
「なあなあなあ。お前が携帯忘れるからお母さんといっぱいはなしちゃった!
…は い ?

なんでも電話をかけたら路子が出てきてわざわざ「娘は携帯をわすれておりまして」て流暢にはなしたらしいのだ。そのあとは「毎日暑いですね」の季節のご挨拶からはじまって、しばらく談笑したのだと。
電話の向こうで大はしゃぎのとうさん(元隣人)。
どんどん血の気が引いていく俺。

そう。今日俺は居間に電話をおきっぱできてしまったのだ。きっと路子のことだ。とうさん(元隣人)からのだけじゃなく他のでんわにもでまくったにちがいない。まちがいない。
いまからうちに帰って着信履歴を調べるのがとても怖い俺なのですよ。…何をしゃべったのかとうさん(元隣人)はぜんぜんおしえてくれないし。路子が調子にのっていらんことをしゃべってないといいのだけれど。こわい。こわすぎる。
●そういや前に電話をわすれていったときも、「お父さんが出てきて『○○ですが娘はいません』ていわれました!」って会社のこにドン引きされたことがあったなあ…うちの両親って。両親って。